四谷大塚直営校・YTnet提携塾・四谷大塚NET加盟塾の違い・どれがいい?

四谷大塚・四谷大塚YTnet・四谷大塚NET

中学受験の塾別の合格者数などを見ていると、四谷大塚の合格者数だけ「四谷大塚ネットワーク(四谷大塚・四谷大塚YTnet・四谷大塚NET)在籍」という注意書きがあることがあります。

今回は、この「四谷大塚ネットワーク」を構成している、四谷大塚の直営教室・YTnet提携塾・四谷大塚NET加盟塾の違いについて解説します。又、準拠塾・提携塾・加盟塾など四谷大塚独自の用語についても説明します。

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四谷大塚の歴史

四谷大塚の直営教室・YTnet提携塾・四谷大塚NET加盟塾の違いや、「準拠塾」「提携塾」「加盟塾」などの用語を理解するには、四谷大塚の「歴史」を知る必要があります。

<四谷大塚(旧・四谷大塚進学教室)の歴史>
1954年 「日曜テスト」開始
1956年 「日曜教室」開始
1960年  「予習シリーズ」販売開始
1989年 「準拠塾」制度開始
1990年代 直営校舎を首都圏各地に開校
1998年 「四谷大塚YTnet」開始
2006年 ナガセ(東進などを運営)が四谷大塚を買収
2008年 「四谷大塚NET」開始「予習ナビ」「復習ナビ」提供開始。

四谷大塚(四谷大塚進学教室)は元々、「塾」ではなく「テスト会」としてスタートしました。選抜試験を受けて合格すると「正会員」「準会員」になり、レベルによって異なる「指定会場」で毎週日曜日にテストを受け、テストが終わった後に解説授業を受けるという学習スタイルでした。

日曜テストに向けて生徒さんが勉強するテキストが「予習シリーズ」です。当初は親が「予習シリーズ」を使って我が子に教えて、日曜テストに臨むということを前提としていたようですが、親が指導するのは限界があるため、日曜テスト対策をする「塾」が首都圏各地に登場しました。1989年にそれらの塾を四谷大塚が正式に認めて、「準拠塾」制度が始まりました。平日は「準拠塾」で予習シリーズを使って学習し、日曜日に日曜テストに臨むというスタイルが当時の首都圏における中学受験では主流となりました。

「準拠塾」制度が始まったころは、四谷大塚の直営教室は、中野・お茶の水・新横浜にしかありませんでしたが、1990年代になると四谷大塚自身が直営教室を首都圏各地に増やしていきました。

そうした中で、1998年に「四谷大塚YTnet」が始まり、準拠塾がこれに参加しました。YTnet提携塾は予習シリーズをベースにした四谷大塚オリジナル教材に加えて独自のテキストで指導を行う塾もありました。毎週「週テスト」で学習状況・弱点分野を確認しました。予習シリーズは5回に1回、「総合(復習)」回となっており、それにあわせて「組分けテスト」が行われました。これらの受講スタイル・流れは現在まで続いています。

2006年に東進ハイスクール・東進衛生予備校などを運営している「ナガセ」が四谷大塚を買収しました。「ナガセ」傘下になった四谷大塚が全国の塾に対して参加を募ったネットワークが「四谷大塚NET」です。東進衛生予備校など実力ある講師の授業を「コンテンツ」としてとらえる考え方が導入され、「四谷大塚NET」加盟塾には、予習シリーズに合った解説授業を自宅で視聴できる「予習ナビ」「復習ナビ」や「高速基礎マスター」が提供されました。

又、「進学くらぶ」という自宅学習・通信教育もスタートし、「予習ナビ」や「復習ナビ」を視聴して予習シリーズで自宅学習し、週テストを受けるというもので、近くに中学受験塾がないご家庭でも四谷大塚のテキスト・テスト・カリキュラムを使って学べるようになりました。

YTnet提携塾とは

YTnet提携塾は、1998年に始まった、四谷大塚の教材・カリキュラム・テストをベースとしている塾のネットワークです。四谷大塚のテキストに加えて、各塾のオリジナルテキストを使っている塾もあります。「予習シリーズ」を使っていること、「週テスト」や5週(5回)に一度の「組分けテスト」があることは、直営教室や四谷大塚NET加盟塾と同じですが、「予習ナビ」「復習ナビ」「高速基礎マスター」はありません。(コロナ以降は「予習ナビ」の提供は行われていますが、すべての提携塾が対象なのか否か、今後も続くか否かは不明です)

YTnet提携塾は1998年に始まったため、老舗の塾・大手学習塾も多数参加しています。早稲田アカデミー・臨海セミナー・誉田進学塾・英進館などがYTnet提携塾です。

YTnet提携塾は老舗の塾・大手学習塾が多いため、塾の雰囲気やスタイルの独自性が強く、自塾のテキストをメインにして、「四谷大塚はテストを中心に利用する」という塾も少なくありません。

四谷大塚NET加盟塾

四谷大塚がナガセ(東進を運営)の傘下に入った後にできた、四谷大塚の教材・カリキュラム・テストをベースとしている塾のネットワークです。

「予習シリーズ」などの各種教材・「予習ナビ」「復習ナビ」「高速基礎マスター」などのITツール・「週テスト」「組分けテスト」などは四谷大塚直営教室と同じです。

中堅・大手の集団塾も参加していますが、比較的小さな塾・個別指導塾なども参加しています。「予習ナビ」「復習ナビ」などで講義を自宅で視聴できるため、塾では「演習を中心に個別指導する」などのスタイルも塾によってはあり、YTnet提携塾以上に塾により受講スタイルが異なります。

四谷大塚NET加盟塾の場合、塾生(会員)の受講スタイルも様々です。以下は会員資格の違いの例です。(加盟塾によって異なります)

準塾会員:加盟塾の授業を受講+週テスト無し+組み分けテスト任意
正会員:加盟塾の授業を受講+週テスト受ける+組み分けテスト受ける
週テスト会員:加盟塾の授業は受けない+週テスト受ける+組み分けテスト受ける

四谷大塚の準拠塾・提携塾のメリット

四谷大塚の準拠塾・提携塾に入るメリットには以下のようなものがあります。

・転塾がしやすい
「塾がお子様に合わない」「成績が伸びない」「人間関係でトラブルがあった」など様々な理由で転塾をされる場合、塾によってカリキュラムが違うので、転塾したあとに「前の塾とカリキュラムが違うので慣れない」「前の塾で習っていない範囲が既習になっておりついていけない」などの問題がおこることがあります。四谷大塚の場合、直営校舎に加えて準拠塾・提携塾が同じカリキュラム・ベースのテキストが同じになっていますので、転塾後の問題点は少なくて済みます。

・中学受験の大手塾がない地方都市の方の選択肢になる
地方都市などで近くに中学受験に力を入れている大手塾がない場合でも、四谷大塚の準拠塾・提携塾に入ることで、首都圏の生徒さんと同様のカリキュラム・テスト・テキストを使って学ぶことができます。

・沢山の準拠塾・提携塾から選べる
日能研やSAPIXの場合、系列の違いなどはありますが、基本的に直営教室であり、指導スタイルなどで教室を選ぶことができません。一方、四谷大塚系列の場合、直営校・準拠塾・提携塾で、指導スタイルや方針・塾の雰囲気が全く異なりますので、お子様にあった塾を選ぶことができます。

四谷大塚の準拠塾・提携塾のデメリット

四谷大塚の準拠塾・提携塾に入るデメリットには以下のようなものがあります。

・塾によって方針やスタイルが様々なので塾選びが難しい
四谷大塚の準拠塾・提携塾は、ベースのテキスト・テスト・カリキュラムが同じですが、塾により指導スタイル・追加のテキストの種類や量・塾の雰囲気が全く異なります。初めて塾選びをされる方には、その点がわかりにくいです。

・地方都市では選択肢が少ない
前述の通り、四谷大塚の準拠塾・提携塾を選ぶメリットとして、「転塾がしやすい」「地方でも四谷大塚の洗練されたカリキュラム・テスト・テキストが利用できる」「沢山の準拠塾・提携塾から選べる」などをあげましたが、地域によっては四谷大塚の準拠塾・提携塾が少なくて、そのメリットを享受できない場合もあります。地域によっては四谷大塚準拠塾・提携塾よりも地域に密着した中学受験に力を入れている塾の方が、地元の中学校の情報なども入りやすい場合があります。



以上、「四谷大塚直営校・YTnet提携塾・四谷大塚NET加盟塾の違い・どれがいい?」でした。四谷大塚直営校・YTnet提携塾・四谷大塚NET加盟塾の違いの大枠がご理解頂けたかと思います。中学受験選びの参考になれば幸いです。


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