テレビCMでお馴染みの小学生を対象にした四谷大塚の無料テスト「全国統一小学生テスト」について。全国統一小学生テストの試験教科・試験の形式・試験日程・試験会場・難易度・偏差値・過去問などについて紹介しています。又、何故無料で提供されているのかについても考察してみました。
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四谷大塚の無料テスト「全国統一小学生テスト」とは
「全国統一小学生テスト」は、東進ハイスクール・東進衛星予備校などを運営するナガセの傘下にある中学受験塾「四谷大塚」が開催している無料の公開模試・テストです。14万人以上の小学生が受験する国内最大の民間無料テストとなっています。
2010年からは東進主催で「全国統一高校生テスト」が、2013年からは東進主催で「全国統一中学生テスト」が始まりました。いずれも受験料は無料です。小学1年生~高校3年生までのテストがナガセグループで実施できるようになったことに伴い、「全国統一テスト」(通称:全統テスト)という共通名称を前面に出すようになりました。
四谷大塚の無料テスト「全国統一小学生テスト」の教科
小学1年生~3年生は算数・国語の2教科です。小学4~6年生は、「算数・国語の2教科」「算数・国語・理科の3教科」「算数・国語・理科・社会の4教科」教科から試験科目を選択できます。2科4科選択ではなく3科の選択ができるところがユニークです。
小3からはマークシート式です
「全国統一小学生テスト」は、マークシート形式のテストですが、マークシートへの対応が困難である小学1・2年生は記述式となっています。小学3~6年生のお子様で、(全統テストや英検などを受験したことがなく)マークシートが初めてという場合は、事前にマークシートの練習をされた方が良いかもしれません。尚、マークシートは機械読み取りとなりますので、BもしくはHBの筆記用具を準備して下さい。(普段学校で2Bしか使っていないお子さんはご注意を)
成績優秀者は全国大会に招待されます
小3~小6の成績優秀者は、東京都千代田区の四谷大塚お茶の水校で行われる全国大会に出場できます。受験者と保護者1名分の往復旅費を四谷大塚が負担してくれます。地方の受験者については旅費に加え宿泊費も出してくれるそうです。
四谷大塚の無料テスト「全国統一小学生テスト」の日程
「全国統一小学生テスト」は、初年度の2007年は1回のみしたが、2年目以降は6月と11月の年2回実施しています。6月は5日前後、11月は毎年3日(祝日)の開催となっています。
四谷大塚の無料テスト「全国統一小学生テスト」の試験会場
「全国統一小学生テスト」は、全国約2000会場で実施されます。
試験会場はいずれも塾の教室で、以下の4つの種類があります。
・四谷大塚の直営教室
・四谷大塚の提携塾(YTnet)・・・早稲田アカデミー・臨海セミナー・スクール21・英進館など
・四谷大塚の提携塾(四谷大塚NET)・・・国大Qゼミ・開成教育セミナーなど
・公認会場・・・中萬学院・京葉学院・第一ゼミナール・全教研など
対策授業・父母会・見直し勉強指導とは?
試験会場となっている各塾の各教室で「対策授業(事前)」・「父母会」・「見直し勉強指導」が行われます。いずれも参加は任意で無料となっています。
「対策授業」・「父母会」・「見直し勉強指導」は、会場を提供している各塾にとって絶好の生徒獲得の場となります。普段塾通いをしていないお子さんが、「見直し勉強指導」で「塾講師による分かりやすい授業」を受けると一定割合、入塾したいと思うお子さんが出てくるのではないでしょうか。提携塾以外でも多くの塾が会場となっている理由がよく分かりました。
尚、後日、試験会場となった塾からの入塾の勧誘があることがありますが、「他の塾に行っている」「塾は中学に入ってからと思っている」などの理由でお断りになれば、執拗な勧誘もないと思います。
四谷大塚の無料テスト「全国統一小学生テスト」の偏差値
全国統一小学生テストを受験すると後日、成績表が配られます。ちなみに、成績表は「郵送」ではありませんので会場となった塾に取りに行く必要があります。
成績表には、得点・領域別得点・全国及び都道府県順位・偏差値がでています。小6生については志望校の合否判定も出ます。
「偏差値」は受験者の平均が約50程度になるような受験者内での位置づけを示すものです。四谷大塚が行っている公開模試(合不合判定テスト・志望校判定テスト)での偏差値とは母体が全く違いますのでご注意下さい。四谷大塚の入試情報センターのHPで閲覧できる偏差値とも当然違います。
全国統一小学生テストは、(全国大会狙いの超優秀な生徒以外は)大手塾に通っている人はあまり受けないと言われています。その為、偏差値が出やすく、合不合判定テストの偏差値より10ポイントほど高く出ることはよくあるようです。
四谷大塚の無料テスト「全国統一小学生テスト」の難易度
塾に通っていない・中学受験をする予定がない受験者も想定している為、全国統一小学生テストの難易度はあまり高くありません。又、大手塾に通っている人はあまり受けないテストですので、上位校・難関校受験者についてはあまり正確な判定は期待できないかもしれません。
ただし、回を重ねるごとに受験者が増えていますので、四谷生・他塾生問わず、全ての中学受験生が無視することができないテストになっていくことも十分に考えられます。
四谷大塚の無料テスト「全国統一小学生テスト」の過去問は?
メールアドレスなどを登録することで、四谷大塚のWEBサイトから全国統一小学生テストの過去問を入手することができます。塾に通われていなく、試験慣れ・マークシート慣れしていないお子様につきましては、是非ご利用ください。会場となっている各塾では「対策授業」にて過去問を使った授業が実施されますので、こちらを活用されても良いかもしれません。。
そもそも、何故無料なの?
CMもかなり流れていますし、開催費用も莫大な金額となるはずですが、「全国統一小学生テスト」は何故無料なのでしょうか?
まず、会場を提供する塾にとってですが、「対策授業」・「父母会」・「見直し勉強指導」・「成績表の手渡し」と様々なタイミングで保護者の方に接する機会ができますので、絶好の生徒獲得の機会と考えれば、人件費などのコストも十分に吸収できるものと思われます。
一方、主催の四谷大塚及びナガセグループにとってのメリットですが、
・四谷大塚の知名度アップ
・四谷大塚直営教室の生徒獲得
・四谷大塚の教材やシステムを使う準拠塾生の獲得
・成績などの情報入手
などがあると思われます。
中学・高校生を対象に東進ハイスクール・東進衛星予備校などを展開していることを考えると、成績などの情報入手だけでも莫大な費用をかける価値があるのかもしれません。