中学受験で英語が本格導入されるのはいつから?

グローバル時代に向けて中学入試で「英語」を導入する学校が年々増えています。

首都圏(一都四県)の国立・私立中学校で「英語」を導入している学校は
2014年中学入試:15校
2015年中学入試:33校
2016年中学入試:64校
2017年中学入試:95校
2018年中学入試:112校
となっています。

2020年度から小学校で「英語」を教科として学ぶようになります。それに伴い、多くの中学校で英語入試の本格導入・英算国理社5科入試導入がはじまるものと思われます。これまでの英語入試導入のトレンドと今後予測される事・問題点をまとめました。

スポンサーリンク

現在の英語入試の導入状況

現在の中学入試での「英語入試」の特徴は
「選択入試」方式で「英算国理社の5教科必須入試」ではない
基礎的な学校とハイレベルな学校に2極化
御三家や早慶付属校では導入していない
となっています。

「英語」の導入パターン

現時点では小学校において「英語」は「教科化」「必須化」されておりませんので、中学入試においても「英算国理社の5教科必須入試」ではなく、英語を受験科目として選択できる「英語選択入試」としての「英語」の導入となっています。

例えば
・複数回入試の中に「英語」の必須日・選択日を設置する
・国語と算数を必須にして理科・社会・英語から1~2教科選択とする
・英検で一定以上の級の取得者を対象とする選抜方式を設置する
などのようになっています。

英語入試は基礎的な学校とハイレベルな学校に2極化

英語の選択入試導入校の出題内容を見てみると、簡単な英単語や会話レベルの学校と、かなりハイレベルな問題中心の学校に分かれます。

2017年中学入試から「英語の選択入試」を導入した市川中学校では募集要項に「英語Aは英検2級程度(高校卒業程度)の問題、英語Bは英作文」「帰国生入試の出願資格がある方も、一般・英語選択入試にご出願することができます。」と記載しています。英検2級程度となると、1~2年程度「軽く英語を勉強した」程度では絶対に受かりませんので、「欲しい学生層」は「算数・国語もできる帰国生」なのではないかと思われます。

上位校の英語導入は一部のみ

これまで「英語選択入試」を導入する中学校は、中堅下位校が中心でした。御三家・早慶付属校は現時点では1校も導入していません。現時点での英語導入校のトップレベルは前述の市川中学校となっています。尚、2019年中学入試からは慶應義塾湘南藤沢中等部(SFC)が英語の選択入試の導入を決めています。英検2級~準1級程度のレベルが予想されており、帰国生や英語を専門的に学んだ生徒のみがターゲットとなっていると思われます。

公立小学校での英語教育の今後と中学入試への影響

現在公立小学校で行われている英語は、英語を楽しく学ぶ「外国語活動」に過ぎず、「教科」としては組み込まれていませんが、学習指導要領の改訂により、「教科化」されることが決まっています。

英語「教科化」のスケジュール

英語「教科化」のスケジュールは、以下のようになっています。(詳細は「大学入試改革・学習指導要領改訂がもたらす影響を学年ごとに整理しました 」のページをご覧ください)

・2018年度・2019年度(2018年4月~2020年3月)
「新・学習指導要領」の「移行期間」として、「外国語活動」が5・6年生で年間35コマから50コマに、3・4年生で年間0コマから15コマになります。

・2020年度(2020年4月~2021年3月)
「新・学習指導要領」にもとづいた授業が全面実施となり、英語が5・6年生で「教科化」されます。年間70コマの授業が行われます。

公立中学校での英語学習の中身・レベルは?

2020年度から、小学校5・6年生で英語を「教科」として学び、3・4年生で「外国語活動」として英語に触れるようになります。レベル・学習内容としては、中学1年生の英語が小学校5・6年生に前倒しされるようなイメージとなります。中学2~3年・高校の英語も前倒しされることによって、中学卒業時に英検3級~準2級を、高校卒業時に英検2級~準1級を皆が取得できるレベルになることが国としての目標のようです。

英語「教科化」の後の中学受験は?

中学入試で英語が本格導入されるのはいつからになるでしょうか?

英語が「教科化」される2020年度に小学5年生になる生徒さんが受験する2022年度中学入試から、英語を必須化する学校が出てくると予測されます。現在のような選択入試としての「英語」ではなく、「英語・算数・国語・理科・社会」の5科入試・「英語・算数・国語」の3科入試の始まりです。

中学・高校の英語がそれぞれ1年ずつ前倒しとなることを考えると、英語必須化をしなければ、入学後についていけない生徒が増えることになりますので、2022年~2024年頃までに「英語選択入試」から「英語必須入試」に大きくシフトするものと思われます。

そこで問題となるのが「英語」のレベルです。公立小学校での英語授業のみで学習した場合、小学校卒業時に「英検5級程度」となります。

上位校が英語入試を導入した場合は、文法・単元としては「英検5級程度」、長文などの難易度としては「英検4級程度(現在の中2程度)」となるものと思われます。

しかし、現在中堅・上位校が既に(選択入試ですが)英検2級程度として導入しているなど矛盾が生じてしまう為、トップ校(難関校)による本格導入(必須化)には若干の時間がかかるものと思われます。

スポンサーリンク

フォローする