中学入試での英語試験の実施校一覧とこれまでの推移・今後の予測

中学入試での英語試験の実施校一覧とこれまでの推移・今後の予測

中学入試で「英語」の試験が実施されている中学校の一覧と、これまでの実施状況の推移・今後の予測など。難関校での実施状況と英語が必須の中学校の一覧など、「中学受験英語」の特集ページです。

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中学入試「英語」試験の実施校数の推移

私立中学校・国立中学校で、中学入試で何らかの形で「英語」の試験を実施している中学校数の推移は以下のようになっています。

2014年中学入試:15校
2015年中学入試:33校
2016年中学入試:64校
2017年中学入試:95校
2018年中学入試:112校
2019年中学入試:125校
2020年中学入試:141校
2021年中学入試:143校
2022年中学入試:146校
2023年中学入試:141校

2017年に「小学校で英語必修化」「小学校で英語の教科化」が盛り込まれた「学習指導要領」の改定内容が発表されて以降、中学入試での「英語」試験の実施校は増えていましたが、ここ数年は英語の試験の「実施をとりやめる」学校も増えており、実施校数は「ほぼ横ばい」となっています。

ちなみに、2022年中学入試が、「新・学習指導要領」にもとづいて、英語が5・6年生で「教科化」された最初の学年が受けた中学入試です。

又、2024年中学入試は、「新・学習指導要領」にもとづいて、3・4年生で「外国語活動」として英語に触れ、小学校5・6年生で英語を「教科」として学んだ最初の学年が受けた中学入試です。

小学校で英語が「必修化」「教科化」されることが決まってから数年は「英語」実施校が増えましたが、実際に小学校で英語を学習した学年が卒業する年になっても「英語」の実施校は増えませんでした。

上記の通り、多くの中学校で「英語」の試験が実施されていますが、殆どの学校はあくまで「選択」科目・複数日程のうちの1日での英語試験実施となっています。そんな中、2022年中学入試から茨城県の江戸川学園取手中学校が英語試験を「必須化」しました。今後「必須化」する学校が他に出てくるか注目されます。

2018年までは御三家(麻布・開成・武蔵・桜蔭・雙葉・女子学院)や早慶附属校などの超難関校において英語入試を実施している学校はありませんでしたが、2019年中学入試以降、慶應義塾湘南藤沢(SFC)中等部が「英語(選択)入試」を実施していることから、今後「選択形式」での超難関校での英語試験実施が増えるか否かも注目されます。


2023年中学入試での「英語」の試験実施校一覧

2023年中学入試で「英語」を実施した中学校の一覧は以下となります。

跡見学園・アレセイア湘南・郁文館・上野学園・浦和実業学園・浦和ルーテル学院・頴明館・江戸川学園取手・江戸川女子・大妻多摩・大妻中野・大妻嵐山・開智日本橋学園・開智未来・かえつ有明・加藤学園暁秀・神奈川学園・カリタス女子・川村・神田女学園・関東学院六浦・函嶺白百合学園・北鎌倉女子学園・北豊島・暁星国際・共立女子・共立女子第二・国本女子・公文国際学園・慶應義塾湘南藤沢・京華・京華女子・啓明学園・光英VERITAS・工学院大学附属・麹町学園女子・佼成学園・佼成学園女子・國學院大學栃木・国際学院・駒込・駒沢学園女子・埼玉平成・桜丘・佐野日本大学中等教育学校・サレジアン国際学園・サレジアン国際学園世田谷・静岡サレジオ・静岡聖光学院・実践学園・実践女子学園・品川翔英・芝浦工業大学附属・芝浦工業大学柏・修徳・秀明・秀明大学附属秀明八千代・十文字・淑徳SC・淑徳巣鴨・順天・城西大学附属城西・聖徳学園・湘南白百合学園・昌平・城北埼玉・翔凜・昭和学院・昭和女子大学附属昭和・女子聖学院・白梅学園清修・駿台学園・聖学院・成女学園・聖セシリア女子・清泉女学院・聖ドミニコ学園・西武学園文理・西武台千葉・聖望学園・聖和学院・創価・橘学苑・玉川学園・玉川聖学院・千代田国際・土浦日本大学中等教育学校・鶴見大学附属・帝京・貞静学園・桐蔭学園中等教育学校・東京学芸大学附属国際・東京家政学院・東京家政大学附属女子・東京女子学院・東京成徳大学深谷・東京都市大学付属・東京都市大学等々力・東京立正・桐光学園・桐朋女子・東洋大学附属牛久・トキワ松学園・ドルトン東京学園・中村・西大和学園・二松学舎大学附属柏・日本工業大学駒場・日本大学・日本大学豊山女子・八王子実践・広尾学園・広尾学園小石川・不二聖心女子学院・富士見丘・藤村女子・文化学園大学杉並・文京学院大学女子・宝仙学園共学部・星野学園・細田学園・聖園女学院・三田国際学園・明星・三輪田学園・武蔵野大学・武蔵野東・目黒学院・目白研心・八雲学園・安田学園・山脇学園・横須賀学院・横浜女学院・横浜翠陵・横浜富士見丘学園・立正大学付属立正・麗澤・
早稲田佐賀・和洋九段女子・和洋国府台女子


公立小学校での英語教育

小学校での英語「教科化」「必修化」のスケジュールは、以下のようになっています。

・2018年4月~2020年3月
「新・学習指導要領」の「移行期間」として、「外国語活動」が5・6年生で年間35コマから50コマに、3・4年生で年間0コマから15コマになりました。

・2020年4月~2021年3月
「新・学習指導要領」にもとづいた授業が全面実施となり、英語が5・6年生で「教科化」されました。年間70コマの授業が行われました。

2024年中学入試を受ける学年の生徒さんが、小3・小4で外国語活動として英語を学び、小5・小6で「必修教科」として英語を学んだ最初の学年となりました。


「中学受験英語」入試の実施パターン

英語の試験を中学入試で実施する場合、以下2つの方法があります

英語の試験を全受験者に課す

全ての日程において英語を必須にする方法です。
この方式をとっているのは茨城県の江戸川学園取手中学のみとなっています。

英語の試験を選択できるようにする

・複数回入試の中に「英語」の必須日・選択日を設置する
・国語と算数を必須にして理科・社会・英語から1~2教科選択とする
・英検で一定以上の級の取得者を対象とする選抜方式を設置する
などのように、試験科目として英語を選択できるようにする方法です。


「中学受験英語」入試の実施状況

現在の中学入試での「英語入試」の特徴は
・江戸川学園取手だけが英語必須の入試を実施
・江戸川学園取手以外は「選択入試」方式で「英語必須入試」ではない
・選択入試の英語の内容が基礎的な学校とハイレベルな学校に2極している化
御三家や早慶附属校など超難関校で英語の選択入試を実施しているのは慶應SFCのみ
となっています。


英語を必須とする学校は殆どなし

英語を中学入試で課す中学は増えていますが、英語を「必須」としているのは江戸川学園取手中学のみとなっています。江戸川学園取手中学の英語も「リスニング」のみで、小学校5・6年生で習う基本的な内容となっており、「英語で差をつける」問題ではなく、「学校(英語)の勉強も疎かにしてほしくない」というメッセージだと思われます。

2024年入試は「学習指導要領」の改訂により、3・4年生で「外国語活動」として英語に触れ、小学校5・6年生で英語を「教科」として学んだ最初の学年が受けた中学入試です。そのため、英語を必須化する学校が増えると予測されていましたが、実際には全く増えませんでした。

中学受験塾で「英語」の指導が全く行われていない現状において、塾を無視して「英語を必須化」するのは難しいのかもしれません。


選択「英語」は基礎的な学校からハイレベルな学校まで様々

現在の「選択式」の英語の試験内容は、英検準一級レベルのハイレベルなものから、200~300個の単語を覚えておけば全問正解できる基礎的なものまであり、学校により差が激しくなっています。東京都の「帰国入試」の受験資格厳格化により、インター生が「帰国入試」を受けられなくなったため、インター生とりこみのため、ハイレベルな英語試験を課す学校がふえています。


上位校・難関校の中学入試「英語」実施状況

英語入試を必須としている中学校は江戸川学園取手中学のみで、上位校・難関校で必須化している学校はありません。

上位校・難関校で「選択科目」として英語の試験を実施している学校も、慶應義塾湘南藤沢中学や西大和学園中学など一部に限られます。


今後の中学入試での英語の実施はどうなる?

中学受験塾で「英語」の指導が全く行われていない現状において、塾を無視して「英語を必須化」するのは難しいのかもしれません。

しかし、今後、御三家などの超難関校で英語入試を必須化する学校が1~2校でてくれば、中学受験塾も英語の授業を開始せざるを得なくなり、その結果、中堅校も英語入試を必須化するという動きがでてくるかもしれません。



以上、「中学入試での英語試験の実施校一覧とこれまでの推移・今後の予測」でした。


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